■2016年1月に運用開始されるマイナンバー制度は、個人情報漏えいの危険性が高く、憲法が保障するプライバシー権を侵害するとして、弁護士や住民らのグループ計約150人が12月1日、国を相手にマイナンバーの利用停止や削除などを求める訴訟を、全国5地裁で一斉に起こす。
マイナンバー制度の運用は、憲法で保障されたプライバシー権などを侵害するとして、市民30人が12月1日、マイナンバーの削除や慰謝料などを求めて、東京地裁に提訴した。この日、全国の弁護士や市民でつくるグループによって、東京以外にも、仙台、新潟、金沢、大阪の4つの地方裁判所で、一斉に訴訟が起こされた。
提訴後、東京・霞ヶ関の司法記者クラブで開かれた記者会見で、原告側代理人の「マイナンバー違憲訴訟・東京弁護団」の水永誠二弁護士は、「マイナンバー制度によってプライバシーが丸裸にされ、監視国家化する危険性がある」と述べた。
同日午前には、このうち住民ら計約50人が、金沢、新潟両地裁に提訴した。
弁護団によると、マイナンバーの差し止めを求める訴訟は全国で初めて。
マイナンバーは、所得や社会保障などの情報を一つの番号で管理する制度で、10月から番号通知が始まっており、来年1月から運用がスタートする。
訴状によると、原告側は、日本年金機構でのサイバー攻撃による約125万件の個人情報流出を例に、官民での情報漏えいのリスクがあるなどと指摘している。
さらに、個人番号カードの不正取得や偽造などによる、成り済ましの危険性も高いと主張。安全対策は不十分で、「プライバシー権の侵害を受忍させるだけの制度の必要性は存在しない」と主張している。
■来年1月から運用が始まるマイナンバー制度について、市民グループなどが「情報漏えいの危険性が高く、プライバシーの権利を保障した憲法に違反する」として、国に対して自分たちのマイナンバーを利用しないことなどを求める裁判を全国5か所で起こしました。
このうち東京地方裁判所では1日午後、関東地方などの市民グループの男女30人が訴えを起こしました。
マイナンバー制度は、日本に住む一人一人に割りふられる12桁の番号に税や社会保障などの個人情報を結びつけるもので、来年1月から運用が始まります。
市民グループは「大量の個人情報が漏えいする危険性が非常に高く、プライバシーの権利を保障した憲法に違反する」として、国に対して自分たちのマイナンバーを利用しないことや削除することなどを求めています。
弁護団によりますと、1日は東京地裁など全国5か所で合わせて156人が提訴し、今後、名古屋など3か所でも裁判を起こすということです。
提訴について内閣府番号制度担当室は「訴状の内容を見て今後の対応を検討していく」とコメントしています。
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菅官房長官「プライバシー権の侵害にあたらず」
菅官房長官は午後の記者会見で、「訴状が届いていないためコメントは控えたい。訴状を見たうえで、関係省庁と今後の対応を検討する。ただ、マイナンバー制度は、国民の利便性の向上や公平・公正な社会の実現、行政事務の効率化を目的として適切なプライバシーの保護措置を講じており、プライバシー権の侵害にあたるようなものではない」と述べました。
さらに菅官房長官は、記者団が個人情報が漏えいするリスクについて質問したのに対し「利用範囲を法律で限定したうえで情報を一元管理しないなど制度とシステムの両面でさまざまな保護措置を講じており、必要な対応を取っている」と述べました。
※付録
☆彡マイナンバー制度とは&メリットとデメリット、表と裏、陰と陽
★マイナンバー制度は、国が住民票をもっている全ての人に1人1つの番号を付して、税や社会保障等の分野で効率的に情報を管理するための制度である。
マイナンバー制度は、大きく下記の3つの効果を期待して導入される。
☆彡メリット
1.公平・公正な社会の実現
所得や行政サービスの受給状況を把握しやすくなるため、負担を不当に免れることや給付を不正に受けることを防止できる。
2.行政の効率化
行政機関での情報の照合や転記、入力などに要している時間や労力が大幅できる。
3.利便性の向上
添付書類の削減などで、行政手続きが簡素化されるため、手続きをする人の負担も軽減できる。
所得や他の行政サービスの受給状況を把握することによって、納税額や収入状況まで丸見えになります。
違法行為が減っていくというメリットは、確かにあると思います。
でもね♪~ デメリットも多いのです。
☆彡デメリット
●政府・行政側
・初期費用(約2700億円)が掛る。税金です。
・維持費がまた高い(1兆円レベルとも言われている)税金です。
(増税の可能性また不適切な税の使用の可能性あり)
効率化により行政側の人件費削減につながるどころか逆に人が増えて人件費の増大が簡単に予想できる。
結果的には国民負担増となる。
●国民側
・番号だけで、多くの情報が知られる事になる。(番号つながりで芋づる式に情報流出)
(目的の項目だけを、行政の担当者が見られるようにする必要は最低でも必要でしょう。)
・情報流出した場合、多くの情報が洩れ、取り返しがつかない。
・国の監視体制が強化。
(一度こういうのを始めると、あれもこれも、民間会社も利用となってしまう可能性。
営利目的である民間が加われば更になんでもありの世界になる。)
・プライバシーや人権侵害といった事も出てくる。
(他国では人権侵害になるとの事で廃止の動きもあるようです)
・社会保障の給付が抑制されるかも。
・共通番号を狙った新たな犯罪が増える。
・行政の落ち度で犯罪に巻き込まれる。
■他国の共通番号制度で見るデメリット
・アメリカの番号制では、他人の番号で偽のクレジットカードを作ってだまし取る等が多い。
被害額3年間で5兆円。
・情報を漏らした人の罰則
懲役4年以下などの罰則が予定されているそうですが、軽い過ぎる。
★いつどんな時から必要になるのか
マイナンバー制度の目的は、行政や地方公共団体などの公的機関で様々な手続きを省くこと。
平成28年1月から、社会保障、税金、災害補償の行政手続きで、マイナンバーが必要になります。
また、マイナンバーは社会保障・税金・災害補償分野の中でも、法律や地方公共団体の条例で定められた行政手続にしか使えないので注意が必要です。
社会保障であれば以下の場合などに利用します。
・年金の資格取得や確認、給付
・雇用保険の資格取得や確認、給付
・医療保険の給付請求
・福祉分野の給付、生活保護
税金であれば以下の場合などに利用します。
・確定申告
・税務当局の内部事務
災害補償であれば以下の場合などに利用します。
・被災者生活再建支援金の支給
・被災者台帳の作成事務