桐生祥秀(21才=東洋大4年)が日本人初の公式9秒台 男子100m
<陸上:日本学生対校選手権>◇第2日◇9日◇福井県営陸上競技場
男子100メートルにおいて、桐生祥秀(21才=東洋大4年)が日本人初の公式で9秒台を記録した。
陸上男子100メートルで、21歳の桐生祥秀(よしひで)(東洋大4年)が9日、9秒98(追い風1・8メートル)をマークし、日本選手で初めて10秒を切った。
福井市であった日本学生対校選手権の決勝でようやく日本選手が初の9秒台に突入した。
人類が初めて電気計時で9秒台に突入したのは、1968年にジム・ハインズ(米)が記録した9秒95で、それに遅れること49年。
桐生祥秀が決勝で追い風1・8メートルの中、9秒98をマークし1着。伊東浩司が98年に記録した10秒00の日本記録を19年ぶりに更新した。
京都・洛南高3年だった2013年4月に日本歴代2位の10秒01を記録。15年3月にはテキサス・リレーに出場し、追い風3・3メートルの条件下で9秒87を記録した。風力が2・0メートルを超えているために参考記録となったが、電気計時で日本人初の9秒台に踏み込んでいた。そして遂に公認記録で、10秒00の壁を破った。
桐生はこの日の予選では、追い風4・7メートルの7組で10秒18(追い風参考記録)の1着。好状態をキープして臨んだレースだった。
これまでの桐生の自己最高は10秒01。従来の日本記録は、日本陸上競技連盟強化委員長の伊東浩司氏(当時富士通)が98年のバンコク・アジア大会でマークした10秒00だった。世界記録は2009年にウサイン・ボルト(ジャマイカ)が記録した9秒58。
一昨年3月には米テキサス州であった競技会で追い風3・3メートルの参考記録ながら9秒87を記録した。昨夏のリオデジャネイロ五輪では400メートルリレーの第3走者として銀メダルを獲得した。
なんという偶然でしょうか、くしくも9月9日に9秒98。
9月9日という日にちは忘れられない日となることでしょう。
日本人が初めて10秒の壁を破り、9秒台に突入した歴史的記念日です。
やったね! 桐生。
※インタビュー
ようやく世界のスタートラインに立てた。
やっと4年間くすぶっていた自己ベストが更新できたなと思います。(速報値で)9秒99と出て、そこでうれしさもあったんですけど、『10秒00にならないでくれ』とお願いしていました。(喜びを)伝えたいのはおとん。いいときもあれば、悪いときもあったんですが、おとんがいつも慰めてくれたので。
監督、コーチ、トレーナーさんにも4年間お世話になり、今は感謝の気持ちでいっぱいです。世界大会に出られなかったり、けがをしたりしてきた。そのときにサポートしてくれた方々に会いたい。4年間、東洋大学陸上部でやってこられたのがよかったと思います。
★桐生 祥秀(きりゅう よしひで、1995年12月15日 - )は、滋賀県彦根市出身の日本の陸上競技選手。
小学生時代はサッカーをしており、ゴールキーパーで彦根市選抜チームに入っていた。
彦根市立南中学校への進学を機に陸上を始める。
京都の洛南高校に進学。高校のグラウンドは直線が80mしか取れず、ミニハードルを中心にトレーニングを積んだ。
3年時の織田記念100m予選では10秒01を記録、これは日本歴代2位・日本ジュニア新・日本高校新・日本国内の競技会での日本人最高のタイムであった。
受賞 彩の国スポーツ功労賞(2016年)
※9秒87w (+3.3m/s)2015年3月28日 テキサス州 追い風参考記録
男子100メートル 日本歴代10傑
男子 |
||||||
|
タイム |
風速 |
名前 |
所属 |
場所 |
日付 |
1 |
9秒98 |
+1.8 |
2017年9月9日 |
|||
2 |
10秒00 |
+1.9 |
1998年12月13日 |
|||
3 |
10秒02 |
+2.0 |
2001年7月13日 |
|||
4 |
10秒03 |
+1.8 |
水戸 |
2003年5月5日 |
||
+0.5 |
大阪 |
2016年9月25日 |
||||
6 |
10秒05 |
+0.6 |
東京陸協 |
大阪 |
2017年6月24日 |
|
7 |
10秒07 |
+1.9 |
広島 |
2009年6月28日 |
||
8 |
10秒08 |
+1.9 |
ミズノ |
2017年6月4日 |
||
+1.9 |
多田修平 |
平塚 |
2017年6月10日 |
|||
-0.9 |
ナイキ |
大阪 |
2017年6月23日 |