今朝6時ころ起きてみると外は淡雪だった。
「雪の朝 二の字二の字の 下駄のあと」
この俳句に接すると実に爽やかな気分になる。
この句の作者は田捨女(でんすてじょ)という江戸時代初期の俳人である。
私が最も驚いたのは、捨女がこの句を作った時、彼女はまだ6歳の“幼女”だったということだ。
江戸時代だから、数え年の6歳というのは今で言えば満5歳ぐらいだろうか。
そんな幼い子が後世に残る名句をつくったということに私は驚かされる。
そして、この雪は「なごり雪」となるかもしれない。
「私を忘れないでください。」と言っているかのようである。(忘れ雪)
そして、時を同じくして、嬉しい知らせがやってきた。
白河の関を越え、2020年3月28日みちのくへ桜前線到着♪~
仙台管区気象台は3月28日、仙台市と福島市で桜が開花したと発表した。
3月28午後3時45分ごろ仙台で桜開花、平年より14日早く 観測史上最速
仙台市は平年より14日、昨年より8日早く、2002年3月29日を抜き、1953年の観測開始以降で最も早い開花となった。満開は4月3日ごろの予定。
仙台市宮城野区五輪1丁目の気象台で28日午前11時、職員がソメイヨシノの標本木を観察。判断の目安となる「5、6輪以上の開花」を確認した。
仙台の桜の名所、榴岡公園でも花びらが目立ち始めてきた。また福島市も平年より12日、昨年より8日も早い開花宣言、18年3月29日を抜いて、最も早い記録となった。
「1、2月の平均気温が平年と比べかなり高かったことが一因だ」と説明。28日の仙台の最高気温は4月下旬並みの16.3度だった。
東北の県庁所在地では、福島でも28日に開花が確認された。日本気象協会によると山形は4月2日、盛岡は5日、秋田は6日、青森は11日の開花を見込む。
※雑感
西の京の春景色を大和古寺風物詩の中で「由緒正しい春」と表現したのは亀井勝一郎でした。
『西ノ京から薬師寺と唐招提寺へ行く途中の春景色にはじめて接したとき、これがほんとうの由緒正しい春というものなのかとおもった。・・・』
亀井勝一郎著 大和古寺風物詩より
でもね~、みちのくの人は雪で閉ざされ、春を今か今かと待ちわびているのである。
世界では新型コロナウイルスの嵐が吹き荒れているが、ようやく「恋焦がれる春」が陸奥にやってきた感がある。
しかし、今年だけは花見で浮かれているわけにもいかないというのは悲しいものである。