卓球の女子W杯が10月9日、米国のフィラデルフィアで行われ、シングルスで16歳の平野美宇(エリートアカデミー)が決勝で世界ランキング8位のチェン・イーチン(台湾)を4―0で下し、日本選手として初優勝を果たした。大会公式サイトによると平野は大会最年少優勝。
女子卓球W杯シングルス 11―9、11―5、11―4、11―8(2016年10月9日 米国・フィラデルフィアにて)
準々決勝では伊藤美誠(15=スターツ)との高校1年生対決に4―1で勝利。最新の世界ランキングはリオ五輪団体銅メダルの伊藤が11位で平野が17位だった。平野はリオ五輪にはサポートメンバーとして参加していた。平野美宇は伊藤美誠に過去3戦全勝。
試合後、平野はツイッターで「優勝したぜーーーo(^▽^)o」と報告。伊藤も「ワールドカップ優勝おめでとう 強すぎ 強いの一言しか出ません ほんとおめでとう」と祝福を送った。
東京五輪での団体金メダルに挑む日本にとっては、みうみまペア2人のダブルスは最強の武器となることでしょう。
W杯は年に1回開催され、五輪、世界選手権と並ぶトップレベルの大会。これまで中国選手しか優勝したことがなかった。日本選手では石川佳純が2015年に2位、14年に3位、福原愛が05年に3位に入るなどしている。
今大会は、世界ランキングの上位を占める中国代表の選手たちが出場を見送っていましたが、卓球女子のワールドカップのシングルスで中国勢以外の選手が優勝するのは快挙です。
平野美宇はリオ五輪にはサポートメンバーとして参加し、玉拾いなどをしていて悔しかったと思います。
でもね♪~悔しい思いをしたからこそ優勝できたのだと思います。
リオ五輪でのサポーターの苦労を感謝できたということはまた一つ強くなった要因の一つになったこでしょう。
●平野美宇の話 「優勝することができてとてもうれしい。東京五輪では金メダルを目指して頑張りたい。(伊藤は)最高の友達であり、最高のライバルです」。また平野は「夢のようです。とてもうれしいです。賞金は私の家族、コーチ、友人のためにショッピングしたい」と笑顔を見せた。
美宇の幼いころの夢は「愛ちゃんより強くなりたい。オリンピックで金メダルを取りたい」。でした。
●母 真理子さん「夢のよう」
アメリカで行われた卓球女子のワールドカップシングルスで、平野美宇選手が優勝したことについて、山梨県中央市に住む母親の真理子さんは、「本当に夢のようです。娘は優勝を目標にしていたのでとてもうれしく思います。自分のプレーをして攻めていたので、たくましく成長したなと思いました」と話していました。
★平野美宇
平野 美宇(ひらの みう、2000(平成12)年4月14日 - )は、日本の卓球選手。ミキハウスJSC山梨(ジュニアスポーツクラブ)、JOCエリートアカデミー所属。2016年現在、大原学園高等学校在籍中。
右シェークハンド。1メートル56、45キロ。(現在成長中)
●人物
静岡県沼津市生まれ。2歳より山梨県中巨摩郡田富町(現:山梨県中央市)に移り、中央市立田富北小学校に通っていた。
かつての福原愛のように、幼い頃から卓球が上手く、負けそうになると泣いて悔しがったので、マスコミから「第2の愛ちゃん」と呼ばれ一躍有名になった。2007年の全日本卓球選手権大会バンビの部では福原愛以来史上2人目の小学校1年生の優勝者になった。卓球一家で、三女以外は全員、卓球をする。 (2010年10月頃、三女の亜子もジュニアオープンに参加しデビュー戦となった。)
両親ともに元筑波大学卓球部主将、元教師の母親は全国教職員卓球大会ベスト8に入ったこともある。また内科医の父親は筑波大学時代に全日本選手権2回戦に進出、次女、世和(せわ)も卓球選手。祖父の平野光昭は山梨大学名誉教授の数学者で山梨医科大学卓球部の顧問をしていた。
2012年にはジャパントップ12卓球大会に11歳で初出場した。中学一年でJOCエリートアカデミーに入校。
同じ歳の伊藤美誠とは幼少時よりダブルスペアを組んで国際大会で結果を残しており、2013年には史上最年少でITTFワールドツアーの表彰台に、2014年にはドイツ・スペインと2週続けてワールドツアーを優勝し年末のグランドファイナルでも優勝した。
2015年の第53回世界卓球選手権個人戦では日本代表に選ばれ、シングルス・ダブルス(ペア伊藤)共にベスト32。
2015年9月、世界ランキングで17位となり、石川佳純、福原愛、伊藤美誠に次いで日本人4番目であったためリオデジャネイロオリンピック女子団体戦代表から惜しくも落選し団体戦のリザーブとなった。
2015年度の全日本卓球選手権では決勝で3連覇した石川佳純に破れるも史上最年少での決勝進出。 2016年のポーランドオープンでワールドツアーシングルス初優勝。
●戦歴
2003年9月 - 3歳5ヶ月で卓球を始める。
2004年7月 - 全日本卓球選手権大会 バンビの部 最年少出場(4歳2ヶ月)
2004年9月 - 全日本卓球選手権大会全国大会バンビの部:予選リーグ敗退1勝1敗(福原愛より1年早く幼稚園年少児で出場)
2005年7月 - 全日本卓球選手権大会全国大会バンビの部:ベスト64(出場者169人)
2006年7月 - 全日本卓球選手権大会 バンビの部 ベスト16
2007年7月 - 全日本卓球選手権大会 バンビの部 優勝(小学校1年生での優勝は福原愛以来12年ぶりの快挙)
2008年7月27日 - 平成20年度全日本卓球選手権大会ホープス・カブ・バンビ カブの部 準優勝
2009年1月 - 全日本卓球選手権大会 ジュニアの部に小学2年で出場。福原愛が小学4年でつくった史上最年少出場と勝利記録を更新
2009年7月24-26日 - 全日本選手権カブの部 優勝
2010年1月 - 全日本卓球選手権一般の部に史上最年少となる9歳で出場。
2012年1月 - 平成23年度全日本卓球選手権ジュニアの部で初の決勝進出をし、準優勝。
2014年4月 - 伊藤美誠とのペアでドイツオープンダブルスで優勝
2016年4月 - ポーランドオープン女子シングルスでワールドツアーシングルス初優勝
2016年10月 - 卓球女子ワールドカップ初優勝
●成績
※最高成績
シングルス
ポーランドオープン 優勝(2016)
ダブルス
ITTFワールドツアー・グランドファイナル 優勝(2014)
※みうみまペアがギネス世界記録に認定に
卓球女子で中学3年の平野美宇(15=エリートアカデミー)、伊藤美誠(14=スターツ)がギネス世界記録に認定される。
伊藤は2015年今年3月の国際連盟ワールドツアーのドイツ・オープンで女子シングルスを14歳152日で制し初優勝。中学2年だった昨年3月のドイツ・オープンでは2人で組んだ女子ダブルスで最年少優勝し、伊藤が13歳160日、平野が13歳350日だった。この2つの記録が認められた。